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    2007

09.21

( ^ω^)ブーンは死んでから愛されるようです 3

2 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 20:31:33.72 ID: T9QdBisC0

('A`)「よお、目覚めたかい?」

気がつくとドクオが助手席の窓からのぞいてる。

どうやらここはコンビニの駐車場のようだ。

いつのまにか高速を出ていたらしい。

わたしはあくびをして、ごまかしながら、さっと涙を拭った。
3 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 20:33:07.23 ID: T9QdBisC0

('A`)「パンとか飲み物買ってきたけどいる?」

ξ゚⊿゚)ξ「あ・・・ありがとう」

ドクオはわたしにビニールの袋を手渡すと、再びコンビニの中へ行ってしまった。

食欲なんかまったくなかったけど、クリームパンをひとかけらちぎって口に入れたみる。

ξ゚⊿゚)ξ「・・・甘い」

そういえばわたし菓子パンが嫌いだったんだ。

ξ゚⊿゚)ξ「でも、ブーンはよく好きで食べてたよね? クリームパン」


8 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 20:36:14.33 ID: T9QdBisC0
ねぇブーン? と、わたしが後ろを振り返ろうとしたとき、いつのまにかドクオが戻ってきて、車のドアを開けていた。

('A`)「・・・へ? ブーンって誰?」

ドクオは変な顔をしながら、こっちを見ている。

ξ゚⊿゚)ξ「あ・・・ううん・・・なんでもない」

マズい・・・変に思われたかもしれない・・・。

('A`)「あ・・・ああ・・・」

ドクオは生返事を返しながら、運転席に乗り込んだ。


9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 20:38:48.98 ID: T9QdBisC0
なにかフォローをしなければと思いながらも、うまく言葉が出てこない。

('A`)「あのさ・・・」

ξ゚⊿゚)ξ「は、はい・・・」

('A`)「今は辛いかもしれないけどさ・・・きっとこれ乗り越えたらいいことあるから」

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・・」

('A`)「だから、絶対負けたらたらダメだ・・・あ、そうだ、これ飲んで元気出せ」

そう言うとドクオはコンビニの袋の中から、不透明な液体が入ったビンを取り出した。


10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 20:44:22.55 ID: T9QdBisC0

そのビンには「超力水」と書かれたラベルが貼ってあった。

ξ゚⊿゚)ξ「ちょー・・・りき・・・・・・すい?」

('A`)「いいから飲め。元気でるから」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、どうも・・・」

どうやらまた何か勘違いしてくれているようだった。ドクオは根っからの善人らしい。

今度は少し申し訳ない気分になりながら、わたしはビンを傾けた。


11 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 20:45:49.56 ID: T9QdBisC0
('A`)「さて・・・どうするよ」

ξ゚⊿゚)ξ「え?」

('A`)「ん、いやさ、ただ北へ行くって言っても、まさか最北端まで行く気じゃないだろ?」

ξ゚⊿゚)ξ「うん、それはそうだけど・・・」

('A`)「じゃあ、当てもなく行くよりどこか目的地を決めようぜ」

ξ゚⊿゚)ξ「うん・・そうね」

('A`)「つーわけで地図買ってきた」


12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 20:47:27.37 ID: T9QdBisC0
ドクオはコンビニの袋から地図を取り出しす、バサッと広げた。

('A`)「さてどこ行きますか」

ξ゚⊿゚)ξ「えーっと」

この際どこでもよかった。少しでも遠くへ行きたかった。少しでも・・・。

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあここ」

('A`)「へ!?」


14 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 20:51:28.64 ID: T9QdBisC0
わたしが指差した先は、本州から遠く離れた小さな島。

地図上では豆粒のように小さく載っていて、よほど注意して見ないとわかららない。

('A`)「ここ!? ははは・・・いいねえ・・・」

ξ゚⊿゚)ξ「お金なら出すから・・・ねぇ、ダメ?」

少し甘えた声を出してみる。

本当こんなやり方はイヤだったけど、手段を選んでる余裕なんてなかった。

(*'A`)「お、おう、まあどうせヒマだし、いいか・・・」


19 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:01:34.96 ID: T9QdBisC0
ドクオは車を発進させる。

腕時計を見るともうすぐ12時になる頃だった。

スーパーにつくと、ドクオに車で待っていてもらい、氷を大量に買い込んだ。

カートに乗せて車まで運ぶとドクオに、

ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、ちょっと車で着替えたいんだけど、どっかで待ててもらっていいかな?」

と伝えた。

(*'A`)「え? ああ、わかった。じゃあ俺あそこのミスドにいるから終わったら来てね」

ドクオは耳を真っ赤にさせると、そそくさと出て行った。


23 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:02:51.49 ID: T9QdBisC0
ξ゚⊿゚)ξ「さあて・・・」

ドクオが店内に入ったのを見届け、わたしはブーンの入ったスーツケースを開ける。

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと冷たいかもしれないけど、我慢してね」

スーツケースの隙間に氷を詰め込んでいく。

全部詰め終わった後、一応上のシャツだけ着替えて、今度はホームセンターへ行き、スコップを買って、車の中のスーツケースの下に隠した。

ξ゚⊿゚)ξ「さぁて・・・これでいっか」

ドクオを呼びにミスドへ行く。


26 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:05:02.09 ID: T9QdBisC0
('A`)「あのさ、さっきの島の行き方調べてたんだけどさ、車ごと運んでくれるフェリーが一日一便しかないらしくて」

ξ゚⊿゚)ξ「まだ間に合う?」

('A`)「まあ、迷わなければたぶん間に合うと思う」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、すぐ行きましょう」

(*'A`)「いや・・・あのさ、一日一便ってことはさ、その島に泊まんなきゃいけないってことで・・・」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、うんお金なら出すし、フェリー代も払うわ」

(*'A`)「いや、まあそのくらいの金なら俺にもあるからいいんだけど・・・」


29 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:07:01.24 ID: T9QdBisC0
ξ゚⊿゚)ξ「え? 明日用事とかあるの?」

(*'A`)「あ、用事なんてないない俺NEETだし。うーんまっいいか!」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

(*'A`)「行こうぜ! フェリー乗り場まで1時間ちょいだし」

ドクオはそう言って立ち上がると会計を済まし、車へ戻っていった。

車へ戻る途中、

(*'A`)「フラグ立ったかコレ!」

とかボソボソ言っていたけど、わたしには何のことだかよくわからなかった。


33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:09:03.61 ID: T9QdBisC0
フェリー乗り場にはちょうと1時間ほどでついた。

フェリーに車を入れた後、船内の待合室に座る。

しばらくブーンともお別れだ。ほんのしばらくだけど。

('A`)「もう出発すると思うよ。だいたい一時間ちょいかかるって」

ドクオがわたしに三ツ矢サイダーを手渡しながら言った。


35 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:11:24.22 ID: T9QdBisC0
それにしてもなんでこの男は、炭酸ばかり買いたがるんだろう。

ξ゚⊿゚)ξ「あ、ちょっと風に当たってきていい?」

('A`)「ああ、いいよ。俺はここでウイイレしてるわ」

ドクオはカバンから携帯ゲーム機を取り出すと、険しい顔で画面をにらみ始めた。

ちょうどそのとき船の出港を告げるアナウンスが聞こえた。


37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:16:41.38 ID: T9QdBisC0
わたしは海が好きだ。ブーンとも何回か海には行った。

ブーンも海が好きで、夏になるとよく二人で泳ぎに行った。

真っ黒に日焼けしたブーンが、焼きとうもろこしにかぶりついている光景を思い出す。

確かものすごく暑い日で、わたしも真っ黒に日焼けしてブーンの隣で笑っていた。

生ぬるい潮風に吹かれながら、甲板のベンチに座る。

船は波をしゃあしゃあと削りながら、進んでいく。

ときおり波しぶきが顔にかかる。

太陽の光がキラキラと海面に反射している。

その海を見ていると、なぜだかわたしは泣きたくなった。

風はびゅんびゅんと吹き抜けて、わたしの涙を吹き飛ばしてくれた。


40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:21:56.52 ID: T9QdBisC0
その島は日本海にポツンと浮かぶ、人口3000人ほどの小さな島だった。

わたし達が車に乗って一周してしまうのに、それほど時間はかからなそうだった。

とりあえず船着場で聞いたホテルに向かうことにした。


(*'A`)「ああ・・部屋は1つしか空いてないんですか・・?」

受付に立ったドクオがわたしの方を困ったような目で見る。でも口元はなぜかにやけていた。


41 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:23:48.36 ID: T9QdBisC0

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、一緒の部屋でいいよ」

(*'A`)「う、うひょっ・・・あ・・うん、おう、じゃあ2名その部屋でお願いします」

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・」

部屋へ向かう途中、ドクオが

(*'A`)「おちつけ俺おちつけ俺おちつけ俺」

とブツブツ言っていた。


42 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:26:26.10 ID: T9QdBisC0
部屋はなんの変哲もない、どこにでもありそうなホテルの部屋だった。

清潔で整ってはいるんだけれども、どこか味気ない部屋。

わたしは荷物を置くと、窓の外を見た。

遠くにわたしたちが降りた船着場が見える。船はもう戻っていったようだ。

車に置いてきたブーンが気がかりだった。

(*'A`)「さあて・・・・・と、とりあえず昼飯でも食いに行く?」

ドクオがなんだか落ち着かなさそうに、そわそわしている。


43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:29:03.45 ID: T9QdBisC0
ξ゚⊿゚)ξ「うん・・いこっか」

相変わらず食欲はなかったけど、このまま部屋にいるわけにもいかない。

('A`)「じゃ、いこうぜ」

ホテルの外へでる。

太陽の光がまぶしくてわたしは思わず目を細める。

さて、これからわたしはどうすればいいんだろう・・・。

空は青く、雲はこんなに白いのに、わたしの心は灰色だった。


44 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:30:07.28 ID: T9QdBisC0
無愛想な茶髪の店員が注文を取って言ってしまうと、店内はわたしとドクオだけになった。

備え付けのテレビの音量がやけにうるさい。

('A`)「へー金色クジラか、すげーな。だれかがペンキでも塗ったんじゃねーの」

テレビのリポーターは興奮した声で、現場を実況していた。

彼女によると、クジラの救出作業はずいぶんと難航しているらしい。


46 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:34:04.86 ID: T9QdBisC0
('A`)「なんか海ん中じゃ生態系のトップにいるクジラも、陸の上じゃ無力だな」

テレビに映し出されたクジラの姿は、どこか場違いで、もの悲しい違和感に包まれていた。

やはり物や生物は、あるべきところにあり、いるべきところにいるべきなのだ。

ξ゚⊿゚)ξ「このクジラ、死んじゃうのかな・・・」

('A`)「さあ・・・でもだいぶ弱ってるしな・・・」

そんなことを話していると、店員が料理を運んできた。


47 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:36:07.00 ID: T9QdBisC0
割り箸をパキリと割り、しばらく二人とも無言で食べる。

ニュースキャスターの緊張した声と、皿を洗うカチャカチャという音だけが店内に響いた。

地元の第一発見者のサーファーへのインタビュー。

海洋生物の第一人者へのインタビュー。

その間にも確実に死に近づいていく金色クジラ。


49 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/21(金) 21:38:06.71 ID: T9QdBisC0
わたしはあまり食べれず、半分ほど残す。

('A`)「・・・・・・・・」

ドクオはセブンスターに火をつけて、ゆっくりと煙を吐き出した。

楕円形の灰がポトン、と灰皿に落ちて崩れていくのを眺めながら、わたしはもう一度クジラを見た。

ちょうどクジラがアップで映し出されていた。クジラは優しい目をしていた。本当に優しい目だった。

わたしはまた泣きたくなった。


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