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    2007

03.27

阿部高和が雛見沢村に引越して来たようです・阿部殺し編 3

「ひぐらしのく頃に」のネタバレ等が
含まれているかもしれませんのでご注意ください。

397 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 16:55:42.91 ID: BH3+wxJGO
試合終了後……阿部は夕焼けで赤く染まった田んぼの畦道をぼんやりと一人歩いていた。


やはり考えつくものといえば、北条兄妹の事である…。


何とかしてあの男から助けなければ……二人は大変な事になってしまう。


だが…どうやって助ける?

学校は無力、警察や相談所でさえ匙を投げ、こんなしがないゲイの自動車修理工に一体何が出来る………?



一つだけ……一つだけ思い浮かぶ方法がある…決して許されない……人の道を著しく外れる……非道な方法が……。


この手で北条鉄平を………抹殺する事……。


401 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 17:03:36.36 ID: BH3+wxJGO
「阿部さん…。」


不意に後ろから声をかけられ、阿部は少しビックリした。


声の主は悟史だ…。


「おお……今日はお疲れさま…頑張ったな。」


「ええ……お陰様で…。」


悟史はやはり何処か元気がなかった。
時折、考え事でもしているかのように下を向いて黙ってしまう。


「……なんだ、沙都子の事か…?」


「ええ…その事で…少しお話がありまして…。」


悟史は立ち止まると、阿部の顔をジッと見た。

いつになく厳しい顔付きだ。


404 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 17:10:26.83 ID: BH3+wxJGO
「阿部さん……暫くの間……沙都子を預かっててくれませんか…?」


何を言い出すと思えば………突然の事に阿部は面食らった。


「おいおい……どうしたんだ…急に…」


「お願いします!!阿部さん!」


悟史が阿部に抱きついてきた。

汗ばんだユニフォームが阿部のつなぎに密着する。
綺麗な赤焼けが二人を包む…。


411 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 17:25:09.26 ID: BH3+wxJGO
「お願いします……阿部さん……お願い…」

悟史はグズグズと鼻をすすりながら呟いた。何とも…綺麗で純粋な涙が頬を伝う。


「悟史…お前……。」


阿部は悟史の頭を手の平で包み込むと、優しく頭を撫でた。

サラサラとした悟史の髪の毛が指の間を心地よく流れる。


「分かったよ……分かった……立ち話もあれだから、俺の家でおはぎでも食ってけ…疲れただろ?…な?」


悟史は阿部の胸の中でコクン、と小さく頷いた。


420 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 18:01:28.10 ID: BH3+wxJGO
阿部高和の家……


悟史はテーブルに座ると黙々と阿部特製のおはぎを食べ始めた。


阿部も2、3個摘まんで口に入れる。


「所で一体どうしたんだい…?急にそんな事を言って…」

阿部はおはぎを頬張りながら、悟史にたずねた。


「……もう…耐えられないんです…沙都子があの男に犯されるのを…見るのは…」


悟史は膝の上で、拳を握り締めながら、ゆっくりと言った…。


「あのままじゃ…沙都子はいずれ…壊れてしまう。……もう擦り切れる寸前なんです…。」


「…ああ……別に俺は構わないさ…。お前らの力になれるんなら何だってするよ…。」


阿部は悟史の手を握り締めた。
悟史の目から涙が溢れた。


423 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 18:17:43.69 ID: BH3+wxJGO
悟史が鳴咽を堪えながら言った。目は下を向いたままだ。

「阿部さん……恐いんです。」
「どうした……何が恐いんだ…。」

阿部は悟史の顔を覗き込むように眺めた。

目が不安そうにテーブルの上を泳ぐ…。

「…僕自身が…どうにか…どうにかなってしまいそうで…」

「そんな事ないさ…。」

阿部は悟史の肩を掴むと、顔をこちらに向かせた。

泣き腫らした不安げな目が阿部の目をジッと捉える。

「お前らは俺が守ってやる…心配するな…。」

悟史が涙を流しながら、躊躇いがちに目を伏せた。
そして静かに…消え入りそうな声で言った…。

「阿部さん……まずは…僕を…守って…下さい…。」

悟史が突然、阿部の肩を掴むと、そのまま強引に口付けをしてきた。


沙都子を俺に預けるという事への負い目からなのか……はたまた……ただ単に俺に対して愛なのだろうか……

阿部は黙って、悟史の唇を受け入れた。


447 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 19:33:17.38 ID: BH3+wxJGO
悟史の舌が強引に阿部の唇を押し広げ、口内に侵入した。


阿部は悟史の舌を受け入れ、優しく吸い上げる。


ピチャピチャと卑猥な音が口から漏れた。

悟史は息を荒くしながら、阿部のつなぎに手を入れて、胸の辺りを愛撫した。

阿部は悟史をそのままダイニングの床に押し倒すと、ユニフォームのボタンを一つずつ外していった。

悟史の華奢な腕が阿部の首に伸びて、そのまま包み込んだ。

二人は熱い吐息を漏らしながら互いに見つめ合った。



絡みあう傍ら、二人は知るよしも無かった…。


まさかダイニングの窓の外に人影があろうとは…。

二人の情事を目のあたりにした人影の頬から一滴…また一滴と涙が滴り落ちた。

暫くその場に立ち尽くした人影は、トボトボと暗くなりかけた畦道を歩いていってしまった。




457 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 20:08:28.70 ID: BH3+wxJGO
同時刻……北条家


「オラァ!沙都子!はようメシ持って来んかい!」


いつものように鉄平の怒声が家に轟いた。

沙都子は震える手で味噌汁をよそうと、ご飯と肉野菜炒めが既に添えられたお盆に、味噌汁を置いた。


「い…今行きますわ…」


沙都子がお盆を持ちながら小走り気味に鉄平の待つ居間へと急いだ。


「いつまで待たせるつもりや!はよう持って来んかい!」


再び鉄平の怒声が轟いた。


458 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 20:15:50.54 ID: BH3+wxJGO
沙都子は物が乱雑に放置された居間を縫うようにして移動し、出来るだけ早く鉄平に食事を届けようとした。


だが、床に無造作に転がった一升ビンに足を取られて転んでしまった。


食事を乗せたお盆をよりによって鉄平のズボンに落としてしまった。


味噌汁が湯気をたてて、鉄平のズボンに振りかかる。



「なにさらしとんじゃこのクソガキがぁ!!」


鉄平の平手打ちが沙都子の頬を打った。

沙都子は短い悲鳴をあげて、壁に叩きつけられた。


460 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 20:26:47.93 ID: BH3+wxJGO
沙都子は脅えきって目で鉄平を見た。


「ご…ごめんなさい…ごめんなさい…。」


鉄平がわざわざ沙都子の目の前まで来て、おもむろにズボンを脱ぎ始めた。


「汚れたやないか……どないしたらええのんかわかっとるよな……なあ」

鉄平が沙都子の髪を掴み上げて、自らの股間まで持っていく。

「ほら…沙都子……舐めて綺麗にしちょくれや……」

鉄平は味噌汁臭い逸物を沙都子の頬に擦りつけた。

「やだ……もうやだよ……」

沙都子がうわ言のように呟く。

「にーにー…助けてよ…にーにー…」

「悟史なんかおらへんやんか…。」

全ての物を拒絶するかのように閉ざした沙都子の口に、鉄平は自身を無理矢理ねじこんだ。


463 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 20:42:45.34 ID: BH3+wxJGO
鉄平の手が沙都子のパンツの中に侵入し、まだ毛も満足に生えていない性器をまさぐる。


沙都子は非難がましい声を上げた。



「許してください…許してください……本当に駄目です…駄目です…」


鉄平は沙都子の体をかかえ上げると、沙都子に自分自身を挿入しようとする。

沙都子は悲鳴を上げた。


「もう怖いのやだぁ!……気持ち悪いのやだ!……やだやだやだ!」


しかし、沙都子の意に反して、鉄平の逸物を徐々に飲み込んでいく。


「嫌だ!嫌だ!……にーにー……にーにー…助けてよ、にーにー…」





469 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 20:54:42.44 ID: BH3+wxJGO

「阿部さん……すごく…良かったです…。」


泥のついたユニフォームを着ながら、悟史が阿部に言った。


阿部は全裸で椅子に座り、頬杖をつきながら言った。


「また…近いうちに…な。」


「え……ええ…そうですね。」


不自然に言葉を詰まらせながら悟史が言った。

「それでは…阿部さん…沙都子をお願いしますね…。」


悟史は深く会釈をすると、玄関から、既に暗くなった畦道へと出ていった。


なるほど…俺のご機嫌を取るために…体を差し出した…訳か…。

俺はこんなにも愛しているのに……寂しいじゃないの…。

阿部は悟史への淡く、それでいて儚い恋心をそっと胸に抱いたまま、悟史の背中が見えなくなるまで、ずっと後ろ姿を見つめていた。


475 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 21:04:55.04 ID: BH3+wxJGO
翌日……悟史に引きずられるようにして、荷物を持った沙都子が阿部の家を訪れた。


他の人の家に泊まるのは初めてなのだろうか…。
緊張して、ずっと下を向いたままだ。


悟史は、沙都子をよろしくお願いします、とだけ言うと走って帰ってしまった。
多分、鉄平に早く帰って来るように釘を刺されているのだろう…。


その間、沙都子はずっと下を向いたままだった。


阿部と沙都子の間に気まずい沈黙が流れた。


476 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 21:15:16.03 ID: BH3+wxJGO
阿部は何とか、この空気を変えようと、明るく努めた。


「沙都子……今日の夕飯はカレーライスでいいかい?…好きだろ?カレーライス…。」


沙都子は弱々しく微笑むと、ゆっくりと頷いた。

元気がない…。

どうしたのだろうか…。


「すいません…阿部さん……食欲がないんですの…気分が悪くて…」


沙都子が下を向いたまま口を抑えた。

確かに顔色が悪い……。
風邪でも引いたのだろうか…。


481 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 21:25:17.33 ID: BH3+wxJGO
「沙都子…風邪でも引いたのかな?……少し休んでろ…。」


阿部は沙都子の肩を支えてやると、部屋の奥へと連れて行った。

沙都子はフラフラと、めまいでも起こしたかのように座りこんだ。

相当辛そうだ。


「最近……何か変ですの…突然気持ち悪くなったり…お腹が重くなったり…急に食欲が出たり…。」


「今、布団を敷いてやるから待ってろ…。」


阿部はお腹をさする沙都子を布団へ寝かせてやった。


もしや…まさかそんな…沙都子は…沙都子は…。


阿部はあまり考えたくは無かった…。
こんな…こんな…あまりにも残酷だ!どうか俺の思い違いであってくれ…。


と、突然ガラスが割れる音が響き、阿部は飛びあがらん程に驚いた。


496 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 21:37:39.17 ID: BH3+wxJGO
阿部は音がした方を向いた。

見ればダイニングのガラス窓が割られていた。破片が四方に散らばっている…。

ダイニングの床に大きめのコンクリート片が落ちている。


畜生……イタズラにしちゃぁ、度が過ぎるぜ…。


阿部は玄関から飛び出すと、辺りを見回した。


見れば前方の畦道を、誰かが全速力で走っていく。


黒いキャップにベージュのTシャツ、そしてジーンズ姿の何者か…。


「畜生め!待て!」


阿部は人影に向かって駆け出した。


498 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 21:43:59.19 ID: BH3+wxJGO
「待て!掘るぞこの野郎!」


凄まじい走力でみるみるうちに距離をつめていく。



これでも、阿部は高校時代に陸上選手として活躍した事があるのだ……円盤投げで…。


犯人の息が荒くなっていく。
そろそろ限界のようだ。


阿部は地面を蹴ると、アメリカンフットボールのように、相手の腰をめがけてタックルした。


「キャッ!!」


犯人が悲鳴を上げて地面へと倒れた…。


女……?


506 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 21:52:31.33 ID: BH3+wxJGO
阿部は仰向けに倒れた犯人に馬乗りになると、こちらに向き直させた。


黒いキャップから緑色の髪の毛が覗く…。


まさか……何てことだ…。

阿部はキャップを取った。途端にツヤツヤした緑色の髪の毛が地面に広がった。


ガラスを割った犯人は魅音だった…。


「魅音…何故こんな事を…」


魅音が冷たい…冷たい目をこちらに向けた。
激しい憎悪のせいで氷付きそうであった。


514 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 22:16:41.03 ID: BH3+wxJGO
「魅音…何故こんな馬鹿な事を…。」


阿部は魅音の襟を掴むと、そのまま意外そうにたずねた。

魅音は無言のまま、阿部から視線を外した。
ふてくされたような表情でそっぽを向いた。


「魅音……いい加減にしないと阿部さん怒るぞ…」


阿部が強い口調で凄んだ。

しまいには魅音の目からはポロポロと涙が溢れ始めた。


魅音は泣いていた。


阿部は襟を掴んだ手の力を抜いた…。


それを待っていたかのように、魅音は膝で阿部の股間を蹴り上げた。


「ハアッオ"!」


534 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 22:44:13.67 ID: BH3+wxJGO
「タマらん!」


阿部は股間を抑えて、地面をのたうち回った。


魅音は素早く立ち上がると、再び畦道を駆けていった。


クソッタレ!……油断大敵……。

阿部は股間を抑えながら立ち上がった。とてもではないが、走れたものではない…。

阿部は呆然と小さくなりゆく魅音を見つめていた。
しかし、魅音は何の為に、ガラス何かを割ったのか…。

「あ……あの…阿部さん……?」

後ろから声がした。

「少し…お話がしたいんだけど……いいかな?…かな?」

阿部は股間を労りながら振り返った。

レナが、不安げな表情を浮かべて立っていた。


542 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 23:01:47.15 ID: BH3+wxJGO
レナと一緒に家に帰ると、沙都子がお腹をさすりながら、床に散らばったガラスの破片を拾い集めてくれていた。


「沙都子!駄目じゃないか!寝ていないと!」


「いえいえ…いいんですのよ…」


お腹が痛むのだろうか…顔を歪めながら屈んで拾っている。


阿部は沙都子を抱きかかえると、奥の部屋に再び寝かせた。


「ちゃんと寝てなきゃ…駄目じゃないか!」


「そうだよ…阿部さんの言うとおりだよ…沙都子ちゃん…ちゃんと寝てなきゃ…。」


沙都子はこちらにニッコリと微笑みかけると、そのまま眠りについた。


547 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 23:07:33.54 ID: BH3+wxJGO
阿部は溜め息をつくと、レナに客間へ行くように、告げた。


レナはゆっくり頷くと、客間の方に移動した。


阿部は、よく冷えた麦茶とおはぎを用意した。


だが、何日も前に作り置きしていたおはぎは既に酸っぱくなって、すえていた。

仕方ないので阿部は、代わりにカレーライスを出す事にした。


カレーライスを出された時、レナは露骨に嫌な顔をした。


549 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 23:14:23.17 ID: BH3+wxJGO
「それで…話ってのは一体なんなんだい?」


冷えた麦茶を飲みながら、阿部がレナにたずねた。

レナは視線をテーブルに向けたまま、ゆっくりと話始めた。


「あのね…私…魅ぃちゃんの件で来たんだけど…」


レナがモジモジと手を擦り合わせながら続けた。


「先に謝っておくね…ごめんなさい…さっき魅ぃちゃんがした事…許してあげて…。」


「あのね…魅ぃちゃんね……ずっと…ズゥーーッとね…悟史君の事が大好きだったの…。」


レナは寂しげに言った。


「魅ぃちゃん…普段はあんなだけど…本当はね…すごく…すっごく照れ屋で、恥ずかしがり屋さんなんだ…。」


552 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 23:21:56.34 ID: BH3+wxJGO
野球場での露骨な態度の魅音を思い出す…。


悟史に依存する沙都子を、異常なまでに毛嫌いする魅音の姿が…。


「それでもね…魅ぃちゃん頑張って…何度も何度も悟史君に告白しようとしたの…けどね……駄目だったの…途中で怖じけづいちゃって…。
そんな事を繰り返していくうちに…とうとう膿んじゃったんだ…悟史君への恋心が…。」


阿部は気まずそうに、床を睨んだ。

一体レナは何を言いに来たんだ…。



554 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 23:28:40.72 ID: BH3+wxJGO
「魅ぃちゃん…悟史君の事になると…見境がつかなくなっちゃったんだ。」


レナは申し訳なさそうに阿部の方を向いた。


「それでね…昨日の夜、魅ぃちゃんから電話がかかって来たの…傷ついたって…レナどうしようって…。魅ぃちゃん……泣いてた…。」


阿部は昨日の事を思い出した……悟史との情事を…。
まさか…魅音は…その事で俺に恨みを…?


おいおい、勘弁してくれよ…。


「阿部さん…昨日……悟史君と寝たでしょ…?」


レナが不安そうな目を向けながら核心をついた。


561 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 23:35:54.00 ID: BH3+wxJGO
阿部は出来るだけ落ち着いて話をするように努めた…。
ここでかんしゃくを起こせば、まともな話は出来なくなる…。

「……覗いてたのかい…?」


レナがゆっくりと頷いた。


「魅ぃちゃんが…見てたんだ…。」


レナは阿部の目をみながら続けた。


「だから……阿部さん…悟史君の事…諦めてくれないかな?…かな?」


566 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 23:41:38.90 ID: BH3+wxJGO
「ね…?お願い…阿部さん…。」


レナがテーブルから身を乗り出して、阿部に頼みこんだ。

こんな事……本来ならレナにやらせるべき事ではないだろうが!

阿部は内心怒鳴りたい気持ちで一杯だった…いやブン殴ってやりたかった。


こんな方法…フェアじゃない…アンフェアだ!


「それに……私…阿部さんの事が…。」


レナが頬を赤らめて、視線を落とす…。


そんな…レナまで……勘弁してくれ。


577 名前: バイト(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/21(水) 23:51:43.17 ID: BH3+wxJGO
「おいおい…こんなんで…いいのかよ…。」


阿部は麦茶を一気に飲み干した。
そしてコップを思い切り、テーブルに叩きつけた。


騒々しい音を立てて、コップが砕け散った。
レナはビクンと身をすくみあげた。


「……沙都子が……沙都子が…孕んじまったのかもしれないのに………こんなんでいいのかよ…。」


「え…?!そんな…そんな…沙都子ちゃん…!」


阿部の中で何かが軋み、歪み、今にもバキバキと音を立てて壊れそうになる。


それは強く……それでいて、信じられない位に脆い物だ。


587 名前: 相場師(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/22(木) 00:03:32.21 ID: TPa6yubAO
阿部は不安げにうろたえるレナを見据えて言った。


「これから…診療所に行って…正式な検査を受ける…。もし…もしクロだったら…悟史は勿論…お前らもピーチクパーチク言ってられなくなるんだぞ…?」


「そんな…あんまりだよ…そんなの…あんまりだよ…沙都子ちゃん…可哀想すぎるよ」


レナが顔を覆って泣き出した。
泣いて解決出来る問題ではない…。


「今から…一緒に……診療所に行ってくれるかい?…レナ…。」


レナは暫く、声を押し殺して泣いていたが、やがて顔をあげると、心得た、という風に頷いた。


「分かったよ…レナはついていくよ…一緒に…。」


593 名前: 相場師(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/22(木) 00:18:10.22 ID: TPa6yubAO
阿部は眠たそうに目を擦る沙都子をおんぶすると、レナと一緒に歩き始めた。


「阿部さん…どこに行く気なんですの…?」

沙都子が具合の悪そうな、かすれた声で言った。

「診療所だよ…お前が具合悪そうにしてるからさ…。」

阿部はぶっきらぼうに言った。

「そんな…そこまで…心配なさらなくても…」

「沙都子ちゃん…無理しちゃ…駄目なんだよ?…だよ?」

レナが頬を膨らませながら言った。
レナは内心、辛くて、辛くてたまらないだろう。

俺と魅音の板挟みに加えて、沙都子の妊娠騒動…。

レナは強い……改めてそう思った。

阿部は涙を堪えた…。堪えて、堪えて、ついには悲しみさえも飲み込んでしまった…。


609 名前: 相場師(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/22(木) 00:43:26.89 ID: TPa6yubAO
「こんにちは…阿部さん…今日はどうしました?…また喧嘩でもしたんですか…?ハハッ!」

相変わらず陽気な笑顔で入江先生は阿部を迎えてくれた。

阿部はレナと沙都子を待合室に待たせて、診察室に入る。

「入江先生…これは真剣な話ですよ…。」

阿部は険しい表情で入江先生を見つめた。

表情でただ事ではない事を悟ったのか、笑顔が一転して、本来、医者のあるべき真剣な表情になる。

「…一体…どうしたんですか…。」

阿部は入江先生を見据えたまま続けた。

「実は…沙都子が…沙都子が…妊娠…したみたいなんです。」

入江先生の表情が悲しげな表情に変わる。

「…それで……私に…検査を…?」

「…そうなんです…。」

「……分かりました。それでは…沙都子ちゃんをここへ…。」

薄い生地のゴム手袋をしながら入江先生が言った。


619 名前: 相場師(新潟・東北) Mail: 投稿日: 2007/03/22(木) 00:53:51.85 ID: TPa6yubAO
入江先生は沙都子を椅子に座らせた。


「私は…何か…悪い病気なのでしょうか…」


沙都子が心配そうに入江先生を見つめた。


入江先生は沙都子を安心させるように、いつもの、少年のような笑顔を浮かべた。


「さあ…ベッドに少し横になってね……阿部さん…ズボンを脱がすので…少し…席を外して下さい…。」


入江先生がこちらを向いて言った。
拒否する権限など、阿部にはみじんもない…。


阿部は素直に従った。


771 名前: 相場師(新潟・東北) 2007/03/22(木) 19:43:06.38 ID:TPa6yubAO
診療所の待合室でレナと二人で、並んで結果を待つ。


重々しい空気が二人を包む。


「もし…もし…妊娠してたら…沙都子ちゃん…どうするつもりなのかな?…かな?」


レナが唐突に、阿部に話しかけてきた。


「鉄平の子供だぞ…それに沙都子はまだ小学生…堕ろすしかないだろうが…!」


阿部が下を向いたまま答えた。


「………ごめん…。」


レナは再び、口をつぐんで押し黙った。


永遠とも思えるような時間が過ぎていく…。

778 名前: 相場師(新潟・東北) 2007/03/22(木) 19:52:15.96 ID:TPa6yubAO
突然、診察室のドアが開いて、入江先生が顔を出した。


表情がいつになく険しい。


「阿部さん……ちょっと…。レナちゃんは…そのままそこにいて。」


入江先生が阿部の方を向いて、手招きをした。


阿部はとてつもなく重い腰を上げると、診察室へと入った。


沙都子がベッドの端に腰掛けながら、半ズボンの裾を直していた。


「じゃあ…沙都子ちゃん…。今からお薬を渡すから待合室で待っててね。」


沙都子はコクリと頷くと、会釈をして診察室から出ていった。

沙都子が出ていくと、入江先生は溜め息をしながら眼鏡を外して、指で眉間の辺りを揉んだ。


「阿部さん…結果から申し上げます…。」


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comments

このコメントは管理者の承認待ちです

-:2007/03/27(火) 10:06:07 | | [編集]

おもしうれ

  :2007/03/27(火) 10:32:31 | URL | [編集]

  _  ∩
( ゚∀゚)彡 続き!続き!
 ⊂彡

-:2007/03/27(火) 10:33:32 | URL | [編集]

これは気になる

名無し!!:2007/03/27(火) 10:55:04 | URL | [編集]

阿部さんに惚れ直した

 :2007/03/27(火) 12:07:12 | URL | [編集]

この阿部さんになら
掘られてもいい

名無し!!:2007/03/27(火) 13:02:33 | URL | [編集]

生々しくて実にひぐらしっぽいな

-:2007/03/27(火) 16:21:51 | URL | [編集]

あの阿部さんがいてもこの空気…

それにしてもいい男

-:2008/04/17(木) 02:54:46 | URL | [編集]

このコメントは管理者の承認待ちです

-:2010/03/30(火) 21:05:50 | | [編集]

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