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    2007

04.11

阿部高和が雛見沢村に引越して来たようです・阿部殺し編 10

「ひぐらしのく頃に」のネタバレ等が
含まれているかもしれませんのでご注意ください。

572 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/04(水) 00:01:10.85 ID: ci.swgAO

阿部はただぼんやりと…シャベルを担ぎながら、ブルーシートにくるまれた、得体の知れない二つの大きな固まりを見下ろしていた。


阿部の目は、もはや死んだ魚の目をしていた。

全てに絶望し、全てに敗北した男の哀れな哀れな目を…。


阿部は力なく、その固まりの一つを担ぐと、シャベルと一緒に、バンへと積み込む。


ブルーシートがガサガサと音を立て、捲れたシートから、赤黒く固まった血がこびり付いた腕が飛び出して来た。


悟史…。


阿部は無言で、飛び出した手をブルーシートへとしまった。



579 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/04(水) 00:39:42.72 ID: ci.swgAO

阿部はもう一つの固まりを、トランクへと乱暴に積み込むと、苛立たしげにドアを閉じる。


盛大な音をたてて、ドアが閉じ、バンが大きく揺れた。


クソ……畜生…一体どうして…こんな事に…?

阿部は頭を抱えて、バンのボディへともたれかかる。


「一体……一体何しに来た…。」


もたれかかり、頭を抱えたまま、突然阿部が呟いた。


ガレージの入り口に立っていた梨花を全く見ずに、阿部が再び呟く。


「また俺を茶化しに来たのかい…?」


「違うのです…!レナが…レナが……。」


そう言うと、梨花はしゃがみこんで泣き始めた。

阿部は下を向いたまま溜め息をついた。




595 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/05(木) 00:50:48.94 ID: wieOBUAO

阿部は梨花に気付かれないように、ゆっくりと、静かにドライバーを取り出して、手に収めた。


阿部はもたれかかった体をバンのボディーから引き剥がすと、顔を押さえて泣いている梨花へと近付いていく。


梨花はただ泣いていた。

青いキャミソールが血まみれになっていて、実に痛々しかった。


これから、その青いキャミソールが更に血に濡れる事になる。


阿部は無表情のまま、冷めた目で梨花を見下ろした。


「いいかい…。そのままじっとしているんだよ…。すぐ…済むから…。」


阿部は優しく梨花に話しかけた。



598 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/05(木) 01:12:13.90 ID: wieOBUAO

阿部はゆっくりとドライバーを振り上げた。


途端に顔を押さえて泣いていた梨花の泣き声がピタリと止む。


気まずい、不気味な沈黙が二人を包む。

聞こえる音といえば、虫の声、蛙の求愛、そして自らの馬鹿デかい鼓動だけだった…。

その気まずい沈黙が唐突に破られる。


「こうやって……悟史も殺したのですか…?」


顔を押さえたままの梨花の声が急に、氷のような冷たさを帯びた、恐ろしい声色になった。

阿部の手がピクリ、とかすかに痙攣して、硬直したまま動かない…。

いや、動かせなかった。



611 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/05(木) 22:11:34.07 ID: wieOBUAO
そのまま、くぐもった冷たい声で梨花が続けた。


「ボクも…沙都子も魅音も[ピーーー]のですか…?」

阿部は、ドライバー振り上げたまま、梨花を凝視した。


この女の子、いや…コイツは…一体何者なんだ!!!


「高和は…大石の仲間なのですね。」


「一体…お前は何を言ってるんだい?」


「大石に…レナが殺されたのです。」




613 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/05(木) 22:30:24.60 ID: wieOBUAO

「何だと……それはどういう事だい?」


阿部はドライバーを下ろすと、梨花に尋ねた。


「大石が…突然やって来て、ボク達に、ある人の命令した事だって言って、酷い事をしたのです!!!レナも殺されたのです!!」


梨花が怒りに声を張り上げた。


阿部は混乱した。
心底混乱し、疲れ果てた。

「もう…もう帰ってくれ…」


阿部は梨花から目を離すと、こめかみを揉みながら呟いた。


615 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/05(木) 23:14:49.52 ID: wieOBUAO

梨花が、顔から手を離すと、死んだ爬虫類のような目で阿部を見た。


「高和……悟史を苦しめた上に…殺したのですか…?」


こめかみを押さえてうずくまる阿部を、今度は、梨花が見下ろした。


「沙都子も……[ピーーー]のですか…?」


梨花が冷たい声で言った。


「魅音も[ピーーー]のです……けど…ボクは殺されないのですよ…決して…決して…。」



619 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/06(金) 00:07:45.49 ID: 7BkLIwAO

阿部は既に限界だった…。


沙都子の妊娠に、魅音の嫌がらせ、悟史とレナの死と罪悪感、そして梨花の存在…。

「止めてくれ…これ以上…俺を…苦しめないでくれないか!!!」
阿倍が悲痛な叫び声を上げて、その場に座りこんでしまった。


しかし、梨花はそれに少しも構わずに、淡々と続けた。


「ボクは沙都子の所に行くのです…全てを清算するのです……。」




620 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/06(金) 00:50:48.53 ID: 7BkLIwAO
「悟史は……本当に苦しかったのですよ…。最後の最後まで…苦しんだ…。」


梨花が阿部を覗き込みながら、脇にしゃがみ込んだ。



「何が言いたいんだ、この小娘!!」


阿部が手に持っていたドライバーを、梨花に向けて、なぎ払った。


「あっ…!」

阿部が振り回したドライバーが、梨花の肩口に深々と突き刺さった。


「俺も苦しんだ……十分苦しんださ!!……これ以上俺に何をしろって言うんだい?」




621 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/06(金) 01:02:22.85 ID: 7BkLIwAO

梨花の可愛らしい青いキャミソールがさらに赤く染まり、すでに元の色が分からなくなりつつあった。


「痛い!痛い!お願いです!…お願いです!」


梨花が再び泣きわめき始めた。

梨花は何とかドライバーを掴むと、苦痛のうめき声を上げながら、ゆっくりと引き抜いた。

銀色に輝いていたはずだったドライバーが赤黒い血糊にコーティングされて、不気味な雰囲気を一層現実味があるものにする。


梨花は肩を押さえて後退りはじめた。


「この小娘……掘るぞ、この野郎!!」


阿部が、怯えきった梨花に向かって怒鳴った。


梨花が一瞬、ビクリと体を引きつらせると、怯えた表情のまま、まるで脱兎のように、走り出した。


635 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/06(金) 23:45:56.31 ID: 7BkLIwAO
梨花は暗い畦道を駆け、何とか阿部から距離を取ろうと必死で走った。


だが、阿部はいつまでも、いつまでも、後ろからついて来て離れなかった。


「嫌だ!怖いのです!来ないで下さい!嫌です!嫌だ嫌だ!」


梨花は泣きながら、叫んだ。

しかし、その悲痛な叫びは、広大な森と田んぼにこだまするだけで、誰の耳にも届かなかった。

阿部以外には……。


梨花の心臓が早鐘を打ち、バッテリー液が血液中を流れる。

しかし、それでも阿部は後ろからついて来て離れない…。


梨花は森にポツリと存在する光に向かって走り続けた。

そうしないと殺されるから……。




638 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/07(土) 00:17:34.12 ID: LKGkBwAO


今から少し前……雛見沢村診療所


沙都子は泣いて、泣いて、泣いていた。

病室は彼女の泣き声と、絶望、そして悲しみで満たされていた。


まだやっと小学生の子供に、叔父の子供を孕んだという事実は、とてつもない衝撃であった。


沙都子は躍動を続ける腹部を憎らしげに見つめた。


ここに…ここに…鉄平の子供が…。



657 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/08(日) 18:40:40.54 ID: iRTzFoAO

「何故……何故…わたくしだけが…こんな目に…?……教えてよ…にーにー…にーにー……。」


沙都子は涙で濡れた目を腹に向けながら、小さな拳で何度も、何度も膨らみかけた腹を叩いた。


この程度では流産する訳もなく、ましてや沙都子の力だけで流産させるのは無理な話だった…。


「助けて…助けてよ、にーにー……この世界から助け出してよ……」

「よせ!!止めるんだ!!」


不意に病室のドアが押し開けられ、入江先生が飛び込んできた。


「沙都子ちゃん……こんな事をして何になる……お願いだから止めるんだ……。」



658 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/08(日) 18:59:26.19 ID: iRTzFoAO

「確かに…辛い事だ……本当に辛い事だ…でも、それに目を向けて…一生懸命生きなきゃいけないんだ……いいね?」


入江先生が沙都子の肩を押さえながら、言った。


「こんな世界…こんな世界なんか私もろとも終わればいいのですわ!!」


沙都子が泣きながら叫び、暴れた。


入江先生は何とか沙都子を落ち着かせようと、必死になってベッドに押さえつけようとした。


しかし、小学生とは考えられない凄まじい力で入江先生の拘束を払い…生きるために暴れ続けた。


「そうやって……沙都子はそうやって悟史君を苦しめ続けるつもりなんだね……」


突然、入江先生の背後から声がした。



659 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/08(日) 19:29:04.68 ID: iRTzFoAO

入江先生の後ろで、何者かの影がうごめく。

「沙都子はいいよね……いつも悟史君に助けてもらって……おじさん……助けてもらった事なんかないのに…いつもいつも沙都子だけ!!!」

人影が憎らしげに沙都子を怒鳴りつけた。

今まで暴れていた沙都子の声がパッタリと止んだ。


入江先生はビックリして後ろを振り返った。
そんな馬鹿な…こんな夜中に……診療所に残っている職員は……自分だけのはずた!!


入江先生は目を凝らして、その人影を見た。
サラサラとした、綺麗な髪の毛が、暗闇の中から浮かび上がる。


緑色の髪の毛を後ろに束ねた少女……。



672 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/09(月) 15:11:35.72 ID: F4J/EcAO

「どなたですか…?こんな時間に…。それにこの病室は面会謝絶です。お引き取り願いますか?」


入江先生が、人影に向かって静かに言った。


人影は黙りこくったまま、部屋の隅の暗がりから、こちらへと近付いて来る。


「…それ以上近寄らないで…。」


入江先生が沙都子を守るようにして、前に立ちはだかる。

沙都子はひきつった顔をして、人影を凝視し、震えていた。


「ほら……沙都子はそうやって守ってもらってばっかり!!…自分の問題は自分で何とかしなさいよ!!」


人影が声を張り上げた。
人影が暗がりから完全にその姿を現した。


鬼のような顔をした魅音が、注射器を携えてこちらに近付いて来る。



673 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/09(月) 15:20:40.08 ID: F4J/EcAO

「どいてよ…入江先生…用があるのは沙都子だけなんだからさ…。」


「何をする気なんですか…。危ないからいますぐに…注射器をこっちに渡して下さい…。」


入江先生が食い下がる。


「フーン…じゃあ、入江先生も沙都子の味方なんだね…。」


魅音がポケットからおもむろに、何か黒くてゴツゴツした物を取り出した。

妖しく黒光りするそれはまごうことなき、拳銃だった…。


「じゃあ[ピーーー]ばいい…沙都子もろとも[ピーーー]ばいい…。」


ガチリ、と鈍い金属音がして、撃鉄が持ち上がった。


679 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/09(月) 18:27:22.99 ID: F4J/EcAO

沙都子の前に立って、守っていた入江先生の顔が急激に青ざめていく。

沙都子を守りたいとする、堅固な意思がくずれかかっていた。


魅音が手を動かす度に、弾倉に装填された弾がチャカチャカと音をたてて、互いに擦れ合う。


「……馬鹿な真似は止めるんだ…頼む…。」


入江先生が青ざめた顔に汗をにじませながら、ボソリと呟いた。


「キャッハハハ!なんだい、そのザマは。腰抜けじゃないかい!!」


青ざめる入江先生を魅音が嘲笑した。



680 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/09(月) 19:32:03.66 ID: F4J/EcAO
「入江先生……行方不明になった看護婦の事知ってる?」


口が裂けそうな程にニヤニヤと笑いながら魅音が入江先生にたずねた。


「ああ…知ってるとも…鷹野三四だ……。」


「あの看護婦はね……死んでるんだよ。」


魅音が何か遊びの相談でもしてるかのように楽しげに言った。


入江先生の顔が更に引きつる。


「彼女を…殺したのか…?」



「だってね、あのアマは事あるごとに悟史君にちょっかいだしてたんだよ?悟史君を誘惑するのは絶対に許せない!!絶対に!!…だから……おじさん頭来ちゃったから、夜道に後ろからこの銃で足を撃って誘拐してやったんだ。」



魅音の手の中で、黒光りする拳銃が、チャカチャカと楽しげに踊る。



681 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/09(月) 19:45:45.52 ID: F4J/EcAO

「なんて事を……。」
入江先生はショックのあまり言葉を失った。

じゃあ…近年続けて発生していた女性ばかりの連続失踪事件は彼女の……。


魅音が溢れんばかりの笑顔を浮かべながら、火薬滓で薄汚れた銃口を、入江先生へと向けた。




「こんな風に撃ったんだよ。」




今までに無いくらいに優しい声で魅音がそう呟くと、握られた拳銃の引き金を引いた。


耳をつんざくような凄まじい爆音と、酸っぱい火薬の煙が上がり、入江先生のズボンと、脚の肉が鮮血とともに弾けた。


悲痛な叫び声が、入江先生の口から漏れ、そしてベッドの脇に盛大に倒れ込んだ。


任侠映画を思わせるような、途方もない暴力行為が目の前で繰り広げられ、沙都子が悲鳴を上げる。



685 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/09(月) 20:29:15.13 ID: F4J/EcAO
入江先生が苦痛にうめく声と、沙都子の悲鳴が病室に響くなか、魅音が優しい声でゆっくりと続けた。


「おじさんは撃つのが好き…指図するのもおじさん……[ピーーー]のは落ち目のカメラマンと胡散臭い刑事…。」


魅音は、足を押さえてのたうち回る入江先生の腹を蹴り上げた。


入江先生はたまらずに下品な音をたてて、吐瀉物を嘔吐する。


「ここに詰まったゲス野郎の生臭いはらわたを……掻き出す!!」


魅音は再び、入江先生の腹を蹴り上げる。



686 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/09(月) 20:49:20.37 ID: F4J/EcAO

ヌラヌラとうごめく臓物が詰まった入江先生の腹を足蹴にしながら、魅音が続けた。


「園崎詩音……おじさんの妹……おじさんが二人に金を払って拷問させたの…。アイツも密かに悟史君を狙ってたわ…。おじさんに隠れてこっそりと…。おじさんに撃たれた時、詩音ったらラブレターを書いてた……汚い汚い、恋の手紙…あんまりにも汚いから腹わた引き出した後、銃口もろとも口に突っ込んで吹っ飛ばしたんだ……。」


魅音が、薄汚れた銃口をうめきながら倒れ伏す入江先生から、沙吐子へと向け直す。


焦臭い硝煙の臭いが、泣き腫らして真っ赤になった沙都子の鼻を突いた。


「悟史君に手を出した奴はみーんな死ぬんだよ。」


「ゲホッ…ゲホッ…くだらない…実に…くだらない…。」


耳を澄ませば何とか聞こえるような声が、魅音の足元から聞こえてきた。



689 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/09(月) 21:15:21.35 ID: F4J/EcAO

今までにやついていた魅音の顔が、氷つきそうなぐらいに冷たい物に変化した。

その表情のまま、入江先生を見下ろした。



「何か……言っちゃったよね…。おじさん聞こえちゃったよ?」


「くだらない……そう言ったんだ…。一時の恋愛感情の為にこんな酷い事を……。人が死んだんだぞ!この鬼め!お前は鬼だ!」


魅音が沙都子に向けていた銃口を再び下ろすと、今度は入江先生の胸に向けて引き金を絞った



690 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/09(月) 22:01:19.79 ID: F4J/EcAO

再び銃口から轟音が響き、音速以上のスピードで、鉛弾が発射された。



鉛弾は衝撃波の尾を引きながら、入江先生の白衣に穴を穿ち、スルリと胸の肉に入り込み、肋骨を砕き、削岩機のように、入江先生の、柔らかくフニフニとした肺をえぐった。




後に残ったのは、煙草の煙のような硝煙と熱い銃口、恐怖に顔を引き攣らせる沙都子、そして肺に穴があいて苦悶の表情でもがく入江先生…。



693 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/09(月) 22:17:41.22 ID: F4J/EcAO

口笛のような音をたてながら、肺から空気が漏れて、胸に溜っていく。


出口のない胸の中で、空気が行き場を失い、他の臓器や、もう片方の肺を圧迫する。


入江先生の顔がたちまち真っ赤になっていく。


魅音の表情が再び、嫌らしい笑顔であふれた。

「入江先生…このままじゃ窒息しちゃうね……。もっと苦しんでよ…おじさん、入江先生が苦しむ表情が見たいなぁ…。」


魅音が満面の笑顔で、真っ赤になった入江先生の顔を覗き込みながら言った。


「沙都子にも苦しんで死んでもらうからね。」


その声は笑顔とは裏腹に、何よりも冷たい物だった。



707 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/10(火) 23:52:56.76 ID: y8fTmwAO

「沙都子にも…これ…あげるね…。」


魅音が脅えきった沙都子に銃口を向けた。

沙都子の口が何か言いたげにパクパクと動く。


「なに…沙都子……死にかけの金魚みたいに口動かしてもおじさん聞こえないよ?」


魅音が嫌らしい笑顔を浮かべながら沙都子に近付き、接吻しそうな程に顔を接近させた。



「……死にたくない……死にたくない…」



沙都子はそう呟いていた。


沙都子を笑顔で見つめていた魅音の顔色が変わる。

途端に悲しげな表情になり、涙が浮かんだ湿った目で沙都子を見つめた。



712 名前: ◆g4b7GjYsgg Mail: 投稿日: 2007/04/11(水) 00:13:25.40 ID: SpEXQoAO


「おじさんはね…鬼なんかじゃないんだよ……それだけは分かって…沙都子……。」


魅音が愛おしげに沙都子の青白い頬を撫でた。

頬を撫でていた手が、ツルツルとした沙都子の肌を滑り、プックリとした唇に触れた。


「ごめんね…沙都子…本当にごめんね…でもね……もうおじさん止まれないんだ…。」


沙都子の虚ろな目が、うるんだ魅音の瞳をじっと見据えた。



「もう……止めて…下さいまし…」



そう言いかけた沙都子の唇を、魅音が自分の唇でもって塞ぐ。


淫靡なまでの沈黙が病室を支配した。








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comments

バッドエンドにまっしぐらwwwwwwww

期待

名無し!!:2007/04/11(水) 18:02:36 | URL | [編集]

ピーが・・・

 :2007/04/11(水) 22:38:16 | URL | [編集]

いつの間にか転載されてたんだね。
おじさん、知らなかったよ。

(・3・):2007/04/13(金) 16:03:31 | URL | [編集]

wktk
まだかな

た:2007/04/24(火) 20:07:25 | URL | [編集]

早く続きが読みたいです

-:2007/05/05(土) 23:21:41 | URL | [編集]

これは鬱になるくそみそ具合

-:2008/04/17(木) 03:37:13 | URL | [編集]

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